蛇口から水漏れが発生している状態を「資源の無駄遣い」という側面から分析すると、その損失は想像以上に大きいことがわかります。一般的に、一秒間に一滴のペースで水が漏れている場合、一日で約二十リットル、一ヶ月では約六百リットルもの水が、何の役にも立たずに捨てられていることになります。これは大型のバケツ六十杯分、あるいは一般的なお風呂の浴槽三杯分に相当する量です。水道料金に換算すれば、地域にもよりますが数百円程度の増額に見えるかもしれません。しかし、これがもしお湯の蛇口からの漏れであれば、水を温めるためのガス代や電気代も同時に浪費されていることになり、家計へのダメージは数倍に膨れ上がります。さらに、環境負荷の視点で見れば、この「無駄な水」を作るために浄水場で使われる電力や薬品、そして排水として下水処理場で浄化するためにかかるエネルギーを考えれば、地球環境に対しても多大な負担を強いていることになります。蛇口から水漏れを放置することは、蛇口を開けっ放しにして外出しているのと実質的に変わりありません。現代社会において、水は限られた貴重な資源であり、その供給には多大な社会的コストがかけられています。また、漏水によって水道メーターのパイロットが回り続けていると、水道局からの検針時に「漏水の疑い」として通知が来ることになりますが、これに気づかずに放置し続けると、高額な料金支払いを免れることができません。自治体によっては、漏水箇所の修理を完了した証明を提出することで料金の減免を受けられる制度もありますが、それも早期発見と迅速な修理が前提です。蛇口一箇所の不具合が、家計というミクロの経済から、地球環境というマクロの課題まで繋がっていることを意識すれば、ポタポタと落ちる水滴を黙って見過ごすことはできないはずです。パッキン一つを交換する手間を惜しむことが、いかに多くの損失を生んでいるか。その事実に気づいた時、私たちの生活態度はより丁寧なものへと変わるでしょう。蛇口から水漏れを止めることは、家庭の平穏を守るだけでなく、未来の資源を守るための最も身近な環境保護活動なのです。
蛇口の水漏れが家計と環境に与える深刻な損失